令和3年3月定例議会報告(令和3年2月22日~3月23日)

令和3年3月定例議会報告(2月22日~3月23日)

  • 初巳に市長から提出された専決処分1件の報告を承認し、教育委員会教育長任命議案1件、教育委員会員の任命議案1件、人権擁護委員候補者の推薦2件を同意、このほか補正予算案9件を可決、一般議案1件を各常任委員会で審査後、本会議にて採決し可決されました。
  • 市長から提出された令和3年度予算に関する議案11件、一般議案13件、市民より提出された陳情2件を各委員会で審査いたしました。一般会計予算審査では「庁舎管理事業」の一部予算について予算措置理由が認めがたいとして委員から修正案が提出され、可決しました。最終日には上記議案の採決が行われ、予算については修正案を含め可決、一般議案を可決、陳情2件を不採択としました。さらに追加議案として、令和2年補正予算案1件を可決、固定資産評価委員の選任議案1件に同意し、その後議員提出議案2件を上程し、可決しました。


《令和3年度予算審査特別委員会》

予算審査特別委員会は、令和3年度各会計予算11件を承認いたしましたが、そのうち松戸市一般会計予算は、1,667億4,000万円で提案されましたが、庁舎管理事業のうち施設整備業務の中の市役所機能再編整備基本計画策定業務委託3,000万円、いわゆる新庁舎建替えにかかる予算を修正削除し、1,667億1,000万円で承認いたしました。我が会派も修正案ほか全会計予算に同意いたしましたが、審査の過程で主要な事業に対し意見を述べさせていただきました。それらは、最終日の賛成討論で賛成理由および意見表明いたしましたので、以下抜粋して報告いたします。

令和3年度当初予算

市民クラプ令和3年度予算に対する賛成討論(抜粋)

 我が会派は、10件の各会計予算案と1件の修正案については賛成しましたが、このところよく耳にする新規事業の「全国初」「県内初」などの、一見すれば他市に先駆ける素晴らしい取組みを矢継ぎ早に行い、本市のブランドイメージは向上し表面上では順調にみえるかもしれませんが、その一方足もとでは、これまで黒字であった実質単年度収支が平成28年度を境に赤字に転じ、毎年積立金を取り崩していることや経常収支比率が令和元年度では94.2%と財政が硬直化してきていること、市債の普通債残高も令和元年度末535億円と、実に8年で1.5倍に膨れ上がっており、今はどうにか凌げるものの将来の本市財政は楽観視できない状況から、私ども会派は本市成長のための施策展開について、場当たり的になることなく持続発展していく道筋をどうつけているのか、本市財政状況を認識した上で予算にどう反映しているのかという視点で審査に臨みました。取り上げたテーマの一部ですが意見を述べさせていただきます。

市役所機能再編整備基本計画策定業務3,000万円を修正削除

 この業務委託は、将来見込まれる市役所機能を検討整理するための市民アンケートやワークショップを実施しながら、あくまでも将来の市役所機能を検討するものであり、新拠点ゾーンヘの庁舎移転建替えを前提としたものではないとしつつも、この予算委員会で担当の部長からは「市庁舎は新拠点ゾーンが最適」と頑なな姿勢で繰り返し答弁されていました。この予算を認めれば、いまは市長の思いだけで進んでいる移転建替えのための証拠づくりに市民アンケートやワークショップが使われる恐れがあり、議会との議論が尽くされずに済し崩し的に進められる可能性があることから、まずリセットするために修正削除をいたしました。決して市庁舎建替えに反対しているわけではなく、むしろ議会が早く建替えを望んでいるわけで、期間や工事費や場所や機能について市民にとってよりよいものとするために、もっと議論していく必要があるからです。  また一方で、新拠点ゾーンを開発するための国からの土地払い下げを受けるためには、公共施設を建てる必要があるが、執行部はここに市役所機能を予定するために急いで提案してきたようです。しかしながら新拠点ゾーンの予算審議の際に、払い下げを受けるために建築する公共施設は市役所機能とは限らないことと払い下げのメリットを答弁で確認できたことから、市役所機能再編の予算だけ削除しました。

公園の敷地内に建設する集会所整備費補助金について

 新年度にこの補助金が対象となる2ヵ所の集会所はこれまでと違い、公園の敷地内に建設するものに補助するもので、これは都市公園法の平成29年の国土交通省通達によるもので、地縁団体の建物が建築可能とされたことが根拠となり、用地が確保できない町会・自治会には朗報であることから理解し認めることにいたしました。しかしながら課題として、公園内の施設という性質上町会だけの利用は許されず、公園の敷地面積の2%を超えての建築も出来ないことから、条件が厳しく不公平感の大きいものであるため、この補助金とは区別した補助の方法を考えるべきと指摘いたしました。

児同乗電動アシスト付自転車の購入に上限5万円補助

 子育て世帯の経済的負担軽減や安全性確保のため、未就学児童2人以上いる世帯で購入金額の2分の1、上限5万円を補助するものです。我が会派としては、子育て世帯の大変さを思えば補助については大賛成であり認めることとしました。しかしながら事業内容には公平性の観点等から補助条件を見直すべきであることを指摘しました。1つめは、補助金額の上限5万円が破格の金額で客観的な根拠がないことです。他市の先進事例でも上限3万円程度で、ただ「全国一」の冠を狙ったのではないかということ。2つめは、未就学児童2人以上でないと補助されない点です。複数人の子どもがいても未就学児童1人の世帯やそもそも未就学児童1人の世帯も補助対象外、さらには既に購入済みのものは補助対象外ということですが、たとえ未就学児童が1人であっても子育ての負担は大変で、電動アシスト付自転車の必要性は同じで、補助金額が大きければ大きいほど補助してもらえるかどうかは大きな問題で、そこに大きな不公平感あってはならないと感じます。  この事業予算の提案については、もう1点問題があり、議会に提案前から担当課に問い合わせが来ているという点です。市長が「全国一」を狙う目玉事業ですから、事前に知りえる何者かが情報を流して、市民に期待を持たせて議会としては認めざるを得ない状況にしているのではないかと勘ぐられても仕方ないことから、この点も遺憾であることを指摘いたしました。

道路改良業務の新松戸7丁目道路ネットワーク整備工事等について

 この予算は裁判の判決を待ち続け2年も繰越明許してきたが、これ以上は繰り越すことが出来ないため、新たに予算を付け直したものです。令和2年7月3日に一審の地裁判決は本市が完全勝訴しているにもかかわらず、新松戸7丁目の神明堀への架橋建設工事は始めようとはせず、地元町会連合会や商店会連合会の再三の早期着工要望にも反対勢力の様子をうかがいながら前に進めず判断力に欠けています。その間に、控訴され現在の二審公判中となっています。新年度予算では、5月ころと聞いている二審判決を見定めて、しっかりと工事着工に取り掛かれるように準備を進めていくことを要望いたしました。

《新焼却施設建設に関する決議》

 令和3年度一般会計予算に、計画上予定されていた計上がなく、これについて執行部から、ごみ処理の広域化および施設の集約化を検討するために検討期間を設けるため、稼働期間を延期させるという説明がなされた。新焼却施設建設によるごみの処理の確実な履行は、市民生活における最重要事項であり、欠くことのできない行政サービスである。平成31年3月定例会の予算審査特別委員会において冒頭、市長から示された見解でも、本市が優先的に取り組む3事業の一つとしてこの新焼却施設建設が位置付けられており、計画に基づいて着実に事業が進められることを共通認識としていたが、広域化という新たな課題の取り組みとそれに伴う事業期間の延長は、執行部と議会の共通認識を大きく超える方向転換と言わざるを得ません。そもそも広域化などは、これまで議会から推進していくべきとの指摘に対して検討している旨の答弁であったのに、この期に及んでこれから5年かけて広域化を検討するとの報告は、建設時期を延期させるための作られた理由ではないかと勘ぐってしまいます。さらにはその延長期間は本市の燃やせるごみの一部を近隣市に処理をお願いし多額の費用が掛かってきます。そのため、議会としてはこれまで通り早期に新焼却施設整備基本構想を取りまとめ、着実に事業を推進することを求める決議を承認しました。