令和5年12月定例議会報告(11月30日〜12月18日)

  • 初日に市長から提出された固定資産評価審査委員会員の選任議案1件、人権擁護委員候補者の推薦議案1件それぞれ同意しました。このほか市長から提出された補正予算を含む一般議案16件(14件可決・同意、2件継続審査)を各委員会に付託され審査を行いました。
  • 最終日には、市長から提出された追加議案2件、監査委員の選任議案1件(大谷茂範議員)、議員提出議案13件(可決4件・否決9件)と各一般議案の討論・採決が行われました。
  • また、最終日には、副議長選挙(織原正幸議員)、健康福祉常任副委員長(西田善昭議員)、建設経済常任副委員長(大橋博議員)、議会運営副委員長(飯箸公明議員)、庁舎整備に関する特別副委員長(飯箸公明議員)の互選が行われました。

 

《総務財務常任委員会の審査から》

議案第32号令和5年度松戸市一般会計補正予算(第5回)
 一般会計歳入歳出の補正額3,292万5千円を承認いたしました。今回の補正予算は、3件の土木費と債務負担行為3件を実施するための提案がされました、以下主要な事業について概要を報告いたします。

まちづくり基本構想推進業務(松戸駅周辺整備振興課)

 この事業は、相模台土地区画整理事業を補完するため、相模台公園南側に隣接する斜面の整備改善及び交通渋滞や歩行者等の安全対策に向けて、用地取得を今後目指すことから、用地測量を実施するための費用454万3千円を計上した。
 この補正予算を認めがたい2名の委員から、この補正予算を削除する修正案が提出されました。この2名は市庁舎現地建替えを主張しており、この予算が認められると市庁舎の移転が相模台区画整理地内に前進してしまうのではないかということを危惧して提案されたものと考えられます。しかしながら修正案はなんなく否決されましたが、修正案を提出した2名の委員は、その後の原案の採決の際は原案を賛成いたしました。普通は原案が賛成できないため修正案を提出したわけですから、原案は反対となるはずです。つまりこれは、最初から修正案は通らないのは解りきって提出され、最後は原案を賛成するというパフォーマンスに他ならないのです。
 我が会派は、この補正予算がなぜ必要なのかを私が会派を代表して賛成理由を討論させていただきました。その討論で述べさせていただいた賛成理由を要約いたしますと、このS字カーブの道路下交差点は、渋滞や歩行者の安全対策などに多くの課題がある場所です。このことは、我が会派にも多くの市民から車両での松戸駅付近への乗り入れや松戸駅周辺道路の通行が渋滞で困難であることや歩行者の安全対策について陳情をいただいているところです。反対する委員からは交差点需要率による数値でこの交差点は円滑な交差点処理ができているからこの予算は必要ないという声もありましたが、これは24時間の交通量を基準にはじき出した数値で、時間帯や天候等で増減する現状には当てはまらないものです。このまま放置すれば松戸駅付近の経済活性化に悪い影響を与える可能性があります。以上のことから、この予算は区画整理地をどのように活用するかに関わらず、そもそも多くの課題に照らせば、以前からの市民の要望に真摯に応え、もっと早く松戸駅周辺整備のために進めていくべきであることから本補正予算を賛成いたしました。この事業により一日も早い渋滞の解消と歩行者の安全の確保をお願いしたい。

民間自転車駐車場整備事業補助金(交通政策課)

 民営の馬橋西口鉄道駐輪場の拡張整備に対し補助金1,000万円を交付する。これは、市営馬橋駅駐輪場(収容台数470台)が、令和6年3月末閉鎖に伴い、この自転車駐車場を拡張(収容台数504台から904台)ための補助金です。

 

◆このほか、矢切の渡し公園整備業務(公園緑地課)からの土地買取要望に伴い1,838万2千円の補正予算、債務負担行為3件(管理代行業務ほか)が提案されました。

 

議案34号松戸市行政組織条例の一部を改正する条例の制定、議案41号松戸市教育に関する事務の職務権限の特例に関する条例の制定を継続審議としました

 どちらの議案も、文化・スポーツ政策を市長部局において重点的かつ総合的に推進することを目的として市長部局に文化スポーツ部を新設し、本来は教育委員会にある文化・スポーツ政策の職務権限を特例として市長部局に移管するため、それぞれの条例が提案され関連があるため一括して審議されました。通常は行政組織の新設や職務内容の移管による変更に対しては、一定の質疑はあるものの行政内部のことですのですんなりと承認されることが多いのですが、今回の議案については、我が会派を代表して私から継続審査を申し出させていただき委員の皆様から合意をいただきました。
 継続審査とした理由ですが、市長部局への新設・移管の方向性は理解しますが、決定前に整理すべきことが多いと思われることから、一つ目は、これらの議案提出を受けて教育委員会に地方教育行政の組織および運営に関する法律(昭和31年法律第162号)第23条第2項の規定に基づき、教育委員会にこの議案つまり条例改正案について意見を求めたところ、その回答では同意はするものの市長に対して3点の付言を行ったことが明記されていました。その付言された内容について委員会では質疑が集中し、委員が危惧していることは、今回の行政組織の新設と移管はただの行政内部のことに留まらず文化・スポーツに関わる多くの市民に関わることである。しかしながら文化・スポーツの関係団体や組織に丁寧な説明もされてなく、賛意を示すような意見もいただいていない。付言内容にあるような文化・スポーツを総合的に議論する会議体を設置することなどは、この提案の以前から進めているべきことであり、その会議体での一定の賛意もこの条例改正の理由とすべきであること。二つ目として議会に対しての事前の説明が足りないことです。このような議案が提出されることを知ったのは、私が副議長として全議員への議案説明に先立って説明を受けたときでした。その際に付言内容と一緒に説明を受けましたが、まず感じたのは教育委員会とまだ意見は一致していないという思いでした。そもそも市民が関係してくる重要な議案を事前に何も説明もなく、突然に提出してくることが問題である。事前に説明があればその時点で、関係団体等への説明などのアドバイスが出来たものと思われます。その後に各会派への説明に入りましたが、多くの会派から時期尚早とされ委員会審査では継続審査が決定されました。3月議会までに改善がみられる報告があるかどうか注視して審議いたします。

 

議案第50号令和5年度松戸市一般会計補正予算(第6回)

国からの「物価高騰対応重点支援地方創生臨時交付金」を活用した物価高騰対策事業など実施するため、補正額46億2,015万4千円を追加提案されました。

①非課税世帯等臨時特別交付金事業(松戸市価格高騰重点支援給付金)
目 的 負担感が大きい低所得世帯に対し、負担の軽減が図れるように給付金を支給
補助額 令和5年度住民税非課税世帯に対し、1世帯あたり70,000円支給
予算額 41億992万3千円(56,000世帯を想定)

②障害施設等への光熱費等を支援
内 容 障害福祉サービス事業所における燃料・光熱費の一部を助成
補助額 1事業所上限200,000円
予算額 8,592万1千円(429事業所対象)
③介護施設等への光熱費等を支援
内 容 介護施設等における燃料光熱費の一部を助成
補助額 1事業所上限200,000円
予算額 1億9,017万2千円
   (845事業所対象、うち居宅介護支援事業所等150事業所)

④子どもの受験応援支援業務
目 的 低所得世帯の中3高3に対し模試代・受験料の一部を助成
補助額 中3模試代上限6,000円、高3模試代8,000円・大学受験料上限53,000円
予算額 1,921万8千円(中3・443名、高3・270名)

⑤放課後児童クラブにおやつ代等委託料増額
目 的 放課後児童クラブ運営事業者とのヒアリングの際に、おやつ代等の高騰に苦慮しているという多くの声があった。おやつは児童の放課後の活動に大切な捕食であることから、事業者支援のため委託料の増額を実施する
補助額 3ヶ月分の委託料増額、児童一人当たり175円増額
予算額 295万円(全放課後児童クラブ45箇所の総額)

⑥保育施設・幼稚園への光熱費等を支援
目 的 原油価格・物価高騰の影響を受ける保育施設・幼稚園の負担軽減するため
補助額令和6年1〜3月まで、1施設あたり上限75,000円予算額1,665万円(222施設対象)

⑦保育所・幼稚園等子ども「全員」の給食費を無償化支援(令和6年1〜3月限定)
目 的 子育て世帯の経済的負担軽減を図るため、保育園・幼稚園等に通う子ども全員の給食費を無償化支援します
補助額 保育施設(こども発達センター含む)は、全員の給食費無償幼稚園・認可外保育施設は、全員に月額5,000円を給付
予算額 1億1,948万6千円(対象園児10,148人)

⑧松戸市公共交通事業者エネルギー価格高騰対策緊急支援金
目 的 市内公共交通事業者に対しエネルギー高騰に伴う経費の一部を支援することにより、市内公共交通の安定的な運行を維持・確保するため
支援額 バス1台あたり8万円、タクシー1台あたり4万円、地域鉄道1社90万円
予算額 3,042万円(バス159台・タクシー420台・鉄道1社対象)

⑨市立小学校・中学校児童生徒「全員」の給食費を無償化・弁当支援
(令和6年1〜3月限定)
目 的 子育て世帯の経済的負担軽減を図るため、市立小学校・中学校に通う児童生徒全員の①学校給食費の無償化②弁当持参者への支援を実施
内 容 令和5年1月から実施している第2子半額、第3子以降全額無償に追加して実施(第1子も全額無償・第2子は半額から全額無償・弁当持参者は給食費相当分の補助金を給付)
補正額 4,541万4千円(対象児童生徒数32,896人)

 

《松戸市政ニュース》

市庁舎移転建替え「2棟先行移転建替え」新案を市が提示

 令和5年5月臨時議会において、本庁舎全4棟(本館・新館・議会棟・別館)を一括して移転のため相模台区画整理地内の国有地を取得する議案を提案しましたが否決されました。各会派から様々な質疑や意見がありましたが、反対を唱える討論は二つに分かれ、現地に建設を推進するために反対するものと移転建替えは良とするが提案のあった相模台区画整理地内の国有地では敷地が狭隘すぎるし、敷地までの侵入路などの周辺整備に不安があるために反対するものでした。また全庁舎を移転するには議会に対して市役所の住所移転のための議案(特別議決として議員3分の2の賛成が必要)を通す必要があることなど解決する課題が多く、時期尚早ということで否決されました。
 市長は、令和6年12月13日までは本市が国有地の購入権を持つため、移転建替えを諦めることなく、事前に協議を重ね新案を令和6年1月31日の「庁舎整備に関する特別委員会」に提示いたしました。その提示内容は、「第1ステップ」として、これまでの一括移転ではなく、耐震基準を満たしていない本館・新館の2棟を先行して前回の移転先の相模台区画整理地内の国有地に移転させ、残る2棟は現地で継続して使用する。移転先は2棟分の延床面積20,000㎡であれば敷地が狭いということも解消、周辺整備も進めていくこと、そして残された現地に議会棟と市長室を含めた総務部局を残すことで住所移転の特別議決も必要ないことで、多くの課題は解決される。分散される使い勝手の悪さはあるものの、地震等の防災上の観点から一刻も早い建替えが必要との判断が優先されるものと考えます。また「第2ステップ」として、松戸駅周辺の公共施設をこの区画整理地内に集約することも示され、詳細は今後市民の声を聞きながら検討していく。
 市は改めて3月定例議会に国有地を購入する一般会計当初予算案を提出し、順調に進めば2032年中の開庁を目指すことになります。


次回の3月定例議会は、2月22日(木)から3月25日(月)です。
お気軽に傍聴にお越し下さい。