平成29年3月定例議会報告(平成29年2月22日~3月23日)

 

  • 市長・教省長の施政方針等に郊する各会派の代表質問を行い、副市長の選任議案1件・教育委員会委員の任命議案1件・農業委員会委員の任命議案14件・人権擁護委員の選任議案2件にすべて「同意」し、さらに平成28年度補正予算に関する議案7件を「可決」しました。
  • 市長が提出した平成29年度予算に関する議案10件、一般議案19件及び市民より提出された陳情1件を委員会にて審査し、すべて最終日に採決され、陳情は「不採択」、その他は「可決」または「同意」されました。
  • 最終日には、監査委員の選任議案1件および固定資産評価員の選任議案1件が「同意」され、議員提出議案11件が採決され、7件が「否決」4件が「可決」されました。

《市長・教育長の施政方針に対する代表質問〜市民クラブ》

高齢者の社会参加について

(質問)2025年には、すべての団塊の世代が75歳になりますが、高齢者が今より増加する一方で高齢者の社会参加できる機会が少ないという課題がある。シルバー人材センタなどで働く機会はあるものの、都内の大企業を退織され、それなりのキャリアや技術を持っている人だと、それらを活かしたマッチングが出来ないことや、就労意欲は高いけれども年齢的に雇用されないケースなどがあり、行き着く先は生活保護となり福祉全体で考えれば、結果として社会コストが上昇することになる。身体的・精神的自立に加え経斉的自立にも着目し、高齢者が元気なうちはいつまでも働けて収入を得られる場を創出することが大切である。本市として、これらの高齢者の社会参加をどのように実現しようと考えるか見解を伺う。
(答弁)高齢者が生活支援などの社会参加をすることにより、介護予防を含めて一体的に実現することとなり、健康寿命の延伸にもつながるものと考える。高齢者の社会参加の希望は十人十色であり、就労機会を確保していくためには企業などの協力のもとで推進し、社会保障の充実や強い経済を実現していくためにも、成長の好循環を生み出すことが必要です。今後、都市型介護予防モデル事業では、個人が持っているスキルを登録し、プロジェクトチームを編成して必要とされる企業などに一定期間派遣するという仕組みの「プロボノ」を本市では活用し、高齢者の皆様に貢献してもらい、地域に還元できるような地域共生社会の実現に向けて努めていく。

公共施設再編について

(質問)公共施設再編は本市における最重要課題であると考えます。公共施設白書によれば本市の公共施設420施設852棟を今後維持していくためには、毎年126億円以上のコストが必要という認識に立てば、持続可能な自治体経営のためにはコスト削減は避けられないものです。
一方でそこには、本市の持続的発展もいかに遂げていくかという視点もしっかりと加味していかなければならず、本市のグランドデザインでなければならないと患います。そこで公共施設再編を進める上で大切なポイントは、原則をあらかじめ定めるということで、近隣市では総量規制などの原則を条例で定めて市民と責任を共有している。つまりルール化することが有効な手法であり、それを確実に実行していく組織体制の確立が大事であると考えますが本市の見解を伺う。
(答弁)本市では、平成27年度から総合政策部に公共施設再編課を組織し横断的に検討・調整を図っている。また、副市長を委員長とした庁内検討委員会を設霞し情報の共有や協議検討を行っている。公共施設再編の考え方は、財源不足を補うためスクラップ&ビノレドを原則とし、総量規制の方向を踏まえた集約・複合化による適正配置を行い、効率的な維持管理運営に努めることと捉えている。公共施設の再編は、総論賛成各論反対に陥りやすい面があるため、審議会で基本計商の策定し方向性を示した後、各施設所管部がアクションプランを作成しマネジメント行っていき、それらの周知徹底を図るためI原則Jを定めるルール化ではなく、より具体的な運用方法を示す形として構築できるよう庁内検討委員会において協議いたします。条例化については今後、基本計画の策定に併せて研究していく。

本市教育改革の総括と方向性について

(質問)平成15年以来、松戸版教育改革として「教育改革アクシヨンプラン」を総定し課題への対応に取組んできたが、その総括と今後の万向性として今年度新たに設置された「教育改革室」の役割と新たな改革について伺う。また、市立松戸高校については設立当時の市内の生徒数増加に対応するための受け皿としての役割は終わり、本来は県が担うべき高校毅育を、本市が独自で続けて行くことの理念をしっかり確率するべきだと予てより申し上げてきましたが、突然に示された感がある、市立松戸高校の改革についての新たな方針はプロセスを共有していませんので、どのように検討や合意形成がされたのか伺います。
(答弁)「松戸市教育改革アクションプラン」は、国等の教育施策の影響を受けつつも、本市の置かれた教育環境から生まれる課題を把握・分析し、その解決のために独自に策定したものです。これにより多様な施策が導入され、学校選択制・スタッフ派遣・特別支援教育支援員派遣・日本語指導支援員派遣・言語活用科の導入などオリジナルの改革施策を実施し全国の自治体や教育委員会から注目を受けています。また、「教育改革室」の設費は、松戸の実態に合う地域と学校の迷携方法、多様な教育機会の確保に向けたセーフテイネットのあり方、アンケート結果をもとに市立高校のあり方を検討している。教育委員会とじては、市立松戸高校の改革の方針の作成にあたって、皆様からの提案をもとに、現状や実態を反映させるために教職員とPJチームを作り、現場からの意見を集約しボトムアップ型の提案も改革案に反映させ、市立高校と連携を基盤として必要な改革を協働で進めていく。

《予算審査特別委員会〜市民クラブの討論より》

◆一般会計予算・歳出について◆

総務費

「シティープロモーション推髄進事業については、事業の推進により市外の方々を呼び込むことが目的で、市民からは概ね好評との評価を受けています。しかしその目的に対する効果について明確な指標はないとのことです。明確な成果指標の設定と、よりインパクトのある事業展開を期待する。「地域代表者制度関係事業」については、新規で町会・自治会連合会地区会交付金として各地区会に一律50万円(15地区会で750万円)を交付するものですが、昨年度に各町会・自治会等に交付金をだしたばかりで、まだ決算も提出されないためその評価も出来ていない状況で今度はさらに上部団体に交付するのは優先順位が違う。試行として了承するが、厳しく監査し議会に報告すること。「東京オリ・パラ推進事業」については、担当室により各課連携の下、ルーマニア・オランダ・ドミニカ共和国の事前キャンプ地として、また経済面でも新たな繋がりが生まれつつあることは大変評価いたします。これを機に本市の持続的成長に結びつけていかれればと思います。「地域ぐるみ安全安心推進事業」については、市民参加型街頭防犯ネットワークカメラの設置は、市民の費用負担で自宅などの敷地に設置させていただくものですが、設置実績が伸びないため初期費用の一部を市で負担することにしましたが、それでも数が増えないにもかかわらず、また初期費用の補助を増やすというものです。増えない要因は他にあるものと考えられるので、しっかり検証すること。また、この設置方法だと設置場所に偏りがあるため、これまでどおりの市において設置するものを増やすべきである。

民生費

健康福祉会館管理運営事業」については、会館の賃貸借契約は20年間で平成29年度中に契約期間満了をむかえるが次期契約内容あるいは契約の方向性が未だ不明瞭である。年額約2億7千万円の賃料はあまりにも破格であると以前より指摘していることから、次期契約の推移を議会に報告するとともに公共施設再編の視点を配慮すること。

衛生費

清掃施設整備事業」については、新年度は六和クリーンセンターは解体の準備に入り平成30年度解体され、跡地には平成32年度に稼働予定の仮称リサイクルプラザを建設する。その他の施設の老朽化の対応と併せ、燃やせるゴミの市外搬出を検討により近隣市との広域連携によるコスト削減を図るべき。

労働費・農林水産費・商工費

 これらは併せても全体予算の1%にも満たない現状では、将来の活力あるまちづくりのための成長戦略として全く頼りなし立言わざるを得ない。これらの政策的経費の拡充や積極的な事業展開の必要性を指摘します。「空き店舗対策支援業務」については、これまでの商店会等が実施する空き店舗対策事業への補助に加え、新たに侭店出店も補助の対象になったことは評価いたします。高齢者対策のためにも身近な街店の活性化に寄与できることに期待する。

土木費

今後膨大な費用が必要となるような計画のための予算が計上されて吋す。当局の積極的な姿勢は評価しますが、事業の優先順位や事業投資に対する評価指標や公共施設再編の視点、が考慮されているとは思えず、将来への財政負担が心配である。「新松戸7丁目・木地区道路ネットワーク検討業務」については、詳細設計委託料が計上されていることは評価します。主要な道路をつなげることで生活道路への車河の流入を極力防ぎ、市民生活の安全安心を早急に担保することを決断するべきである。

教育費

「小学校施設施設整備事業」については、東部小のプレハブ教室使用料は、平成30年までのリース契約とのことだが、東松戸小を新設してもなお児童数が増加傾向のため、しばらくの間は対応可能である。しかしながら新たな小学校建設の可能性について否定はしませんでした。もし建設の方向になるなら公共施設再編の視点を市長部局と研究すること。「学校教育相談業務」においては、特別支援教育の相談体制として「松戸版スクールソーシヤノレワーカーJという社会福祉士2名を中学校に試行配置し、今日的課題に悩む児童生徒や保護者や教職員などに寄り添いアドバイスを行うとし、う、他市では類を見ない試みであることを評価します。

◆一般会計予算・歳入について◆

 歳入について申し上げたいのは、積極的な市税の増収策であり「出ずるを工夫して入るを増やす」という視点が必要である。市税収入の確保のために、主体性を持って戦略的に自ら歳入を生み出す策を講じるべきである。

◆令特別会計予算・企業会計予算について◆

 特定の歳入により事業運営をする特別会計と企業会計において、一般会計からの繰入金に依存しない体質強化にさらに努めていただきたい。特に「病院事業会計」にあっては、平成28年度の補正予算議案において基準外繰入金10億円の要求があったことからも、病院経営の改善が全く進んでいないことに大きな不安と疑問を感じる。新病院の開院を控え継続して市民に安全安心な医療の提供のため、責任をもった経営体制への改善を強く求めるとともに、厳しい現状を踏まえて病院職員はもとより、市長部局も一丸となって危機感をもって早急に経営改革に取組んでいただきたいと申し上げました。

《市長より提出された議案より》

議案第70号 東松戸まちづくり用地活用事業プロポーザル審査委員会条例制定について

 東松戸まちづくり用地活用事業の公募の審査にあたるプロポーザル審査委員会条例を制定にあたり、委員が誰なのかの公表は極力遅らせること。出来れば審査の日に公表するくらいでもいいのではないかと要望いたしました。これは前回の新松戸学校跡地活用事業の公募の際の反省から、早く公表すると応募した事業者が接近する時聞があり不正を働く可能性があるためです。コンサルと協議し対応するとのことです。

○●松戸市政ニュース●○

平成29年4月1日時点で待機児童O(ゼ口)を達成!

 保育所62施設、小規模保育施設39施設、認定子ども園3施設となり、一時預かりの拡充や送迎保育ステーションの実施や病児保育も開始しました。それらにより国基準の待機児童0(ゼロ)を達成しましたが、入所保留児童は85人います。本年度もさらに民間保育所が5施設・小規模保育施設が11施設の開所を予定していますので、入所保留児童もさらに減っていくこととなります。また、保育士不足解消のため再就職のための支援なども行う。

中和倉地区でコミュニティバスの実証実験を行う

 第2回松戸市みんなが元気になる公共交通の検討協議会が2月3日に開催され、以前に行われた生活行動の実態調査の市民アンケート調査(7,000人を無作為抽出し、有効回答数3,116人)を実施して、公共交通に対する意識・ニーズの把握・分析した結果、交通不便地域にコミュニティパスを運行することで一致し、実証実験として中和倉地域を設定した。運行ルートの詳細などは現在調査中ですが、これまで我が会派で提案してきた新市立病院を経由するルートが検討されている。運行開始は新病院開設にあわせて今年の12月くらいを予定している。

市役所本庁舎の移転建て替えの方針を議会に説明

 2月15日の議員全員協議会で市役所本庁舎の建て替えは現地では困難なことから、移転して建て替えるべきとの方針を説明した。市役所の本館と新館の構造耐震指数(IS値)0.3と診断されており、震度6〜7の地震で倒壊する危険性が高いとされていました。そこで当局としては、どのように建て替えるのがベターかを検討してきており、今回その方針が公表されました。その主な理由として、移転建て替えでは用地の取得費用が必要となるが工期が設計を含め6年と短いこと、工事中も業務を通常通り継続できること、現在点在じている庁舎を集約できること、現庁舎跡地について売却や松戸駅前周辺地域の活性化に活用できることなどです。この説明白体があまりにも唐突で困惑していますが、建て替えにより業務の停滞など市民サービスが低下することは避けなければならないので方針としては納得のいくものですが、病院の建設などに300億円もの費用をかけている最中であることもあり、今後の検討にあたっては民間の活力を利用した方法で極力費用をおさえる手法を模索してもらいたいと要望いたしました。