令和8年3月議会報告(2月20日〜3月24日)

  • 初日、市長の施政方針、教育長の教育施策方針が述べられ、その後、市長から提出された専決処分2件の報告を「承認」、農業委員会委員の任命議案14件を「同意」しました。このほか市長から提出された一般会計補正予算案(第13回)を委員会開催し審議され、本会議にて採決され可決承認されました。また、市長から提出された今年度中に執行する補正予算案などの先議議案13件が提出され、各常任委員会が開催され、本会議2日目に採決され可決承認いたしました。さらに、市長から提出された令和8年度予算に関する議案12件、条例改正などの一般議案25件をそれぞれの委員会において審査しました。
  • 最終日には、予算議案12件および一般議案25件について委員長報告・討論ののち、採決され可決承認されました。また、追加で一般議案1件が提出され、委員会開催し審議され、本会議にて採決され可決承認されました。さらに、議員提出議案2件を上程・採決し、2件が「否決」されました。

《会派・清風まつど代表質問について》

 代表質問に市川恵一・大橋ひろしが登壇 市長の施政方針や教育長の教育施策方針について、会派の代表質問に幹事長の市川恵一と副幹事長の大橋ひろしが登壇し質問を行いました。幹事長からは、市政全般から大局的な内容での質問、副幹事長からは施政方針や教育施策方針の内容に踏み込んだ質問をして、市長からの初めての施政方針を拝聴し、厳しい財政状況の松戸市をどのようにしていきたいのか、また教育長の教育施策方針において松戸市の特色ある教育をどのように進めていくのかを伺いました。

組織改編に伴う公共施設再編課の考え方について

(質問) 来年度の組織改編に、公共施設再編課が廃止され、財政部に公共施設マネジメント課が新設されましたが、公共施設再編整備を進めていく上で、体制の強化が必要であることから、これまで会派としては公共施設再編課を課の体制から部への昇格を要望して来ましたが、執行部の考え方を伺う。

(答弁) 公共施設マネジメント課は、将来的な財政負担の縮減および平準化を見据え、施設総量の適正化や適正配置を進めることが不可欠であり、市の財産全体を俯瞰し、経営的視点に立ってその有効活用を図ることが重要と認識している。また、財政運営の基本方針に基づき、歳入確保策の一環として掲げた遊休地の売却等については、財産活用課においてスピード感を持って取り組んでいるところであり、こうした状況を踏まえ公共施設再編課と財産活用課を統合し、財務部において市の公有財産を一元管理する体制を整備しました。その上で、実効性と一貫性を備えたファシリティマネジメントの推進もスピード感を持って取り組んでいく。

長寿命化計画の中止による、公共施設と学校施設の整備について

(質問) 公共施設再編整備の約半分を占める学校施設を長寿命化計画により更新時期の延長を図る予定でしたが、建設費高騰によりそれも今年度の予算に反映されず、事実上中止となりました。現在の建設費高騰を考え、改めて整備手法やコストを検討し直し、従来の長寿命化方針を固定的に維持するのではなく、近隣校同士の学校再編 (統合) の可能性や学校施設と公共施設や民間施設との複合化や学校の地域拠点化と地域開放まで含めて上で、新築との費用対効果の比較していく、政策そのものを再検証する局面に来ているのではないのでしょうか。実際に長寿命化工事費は計画当初1校当たり約7億円規模であったものが現在は1校当たり約50億円規模に増加していることから、2校で約100億円かかるなら統合して1校を新築するほうが国からの補助金の額も考慮すれば結果的に市が負担する一般財源は低く抑えられると思われます。長寿命化計画の1校目に予定されていた小金北小学校は近隣150m先に殿平賀小学校があることからモデル的なケースになり得ることから、今後の少子化の動向や地域住民の将来的なメリットも考慮すれば新たな方向性を検討する余地があるのではないかと思います。市長の現状認識と今後の方向性について見解をお伺い致します。

(答弁) 本市では、将来世代に過度な負担を先送りしない持続可能な財政運営の実現に向け「松戸市財政運営の基本方針」を策定し、財政構造の立て直しに取り組んでいる。そのような中で長寿命化工事の1校目として進めてきた小金北小学校につきましては、事業費が約50億円規模にまで増加し、当初の想定を大きく上回る状況になっている。そのために令和7年度中に今後の方向性を検討することとし、予算編成過程においても様々な検討を重ねてきました。その結果、現下の状況を踏まえ、令和8年度当初予算においては関連事業費の予算化を見送りました。
 小金北小学校は長寿命化工事における最初の着手校であり、近接して小学校が立地しているという地域特性を有しており、これらの点を踏まえれば1校のみの長寿命化工事ありきではなく、地域全体における公共施設および学校配置のあり方を見据え、費用対効果の観点から政策そのものを再検証すべき局面にあるとの認識している。このような状況の変化を踏まえ、小金北小学校につきましては、地域住民の皆様の期待感にも配慮し、今後どのような形が地域にとって望ましいのか、統合新築・複合化・長寿命化工事などを含めて、その実現性に向けた整備手法や将来世代に及ぶ財政負担など、選択肢を整理した上で早急に方向性を再検証していきたいと考えています。

松戸駅周辺の今後のあり方について

(質問) 松戸駅周辺は、駅利用者数などを踏まえれば今後も本市の中心性を維持していくものと考えるが、その地形や鉄道路線の配置で、今日のような車社会に適合していくには難しい環境にあり、そのことを現実的課題と捉えて今後のまちづくりを考えていかなければならないと考えます。現在、本市においては「松戸駅周辺まちづくり基本構想」においてその実現を図っておりますが、JRによる駅舎大改修は実現されつつある一方で、駅周辺の再開発については新拠点ゾーンの整備事業をはじめとして、白紙撤回としたことで取り止めなのか、一時中断なのか情報の錯綜により暗礁に乗り上げている。市役所庁舎建て替えが場所の問題に矮小化されて、本来の駅周辺の再構築の視点が切り離されてしまった感があります。庁舎建て替えをスタートラインに戻すのであれば、それに合わせて基本構想やそこから派生した各種計画を再検証する必要があると考えます。今日に至る行政プロセスを踏まえれば、この総括を庁舎建て替え問題の結論を導き出すことと併せて行わなければ、今後の駅周辺の事業展開に混乱を残すことにならないか危惧をします。今後の駅周辺のまちづくりをどう進めていくのか、当局の見解をお伺い致します。

(答弁) 市庁舎の移転建て替えに関するこれまでの考え方を「白紙撤回」 したことにより、その検討結果によっては新拠点ゾーンの考え方の一部に影響が生じることが想定されたことから、新拠点ゾーン整備事業につきましては「松戸市財政運営の基本方針」において「今年度、白紙撤回・検討中」と記載しました。その意味は、新拠点ゾーン整備基本計画にて示した通り「暮らしの安全安心を支える機能」とする市役所機能の再編整備は、新拠点ゾーンに求められる、3つの機能の1つであり、これらの機能が新拠点ゾーン全体の中で相互につながり合うような空間形成とすることで、その魅力を活かし、時代とともに変化し続ける松戸駅周辺地域と調和・連携することでより良いものとなるように計画していることから、その機能の1つを担う新庁舎の建て替え場所が決まるまでは、新拠点ゾーン整備事業および相模台地区土地区画整理事業のほか関連事業を「一時中断」 したものです。なお、仮に新庁舎が現地となった場合に「新拠点ゾーン整備基本計画」は、相応の見直しが必要であると考えている。しかしながら、シンボル軸の整備やS字道路の整備や国道6号交差点改良による右折レーン整備、S字道路坂下交差点の渋滞解消・歩行者の安全対策および相模台公園南側斜面用地の取得については、新庁舎の位置にかかわらず新拠点ゾーン整備事業および相模台地区土地区画整理事業を補完するために実施するという従来の考え方に変わりはなく、新拠点ゾーンは「松戸駅周辺まちづくり基本構想」に掲げる将来像を実現するためには重要な拠点であることには変わりなく松戸駅周辺や松戸市全体に整備効果が波及されるよう進めていきます。
 また、松戸駅周辺の再構築につきましては、民間開発の誘導や官民連携によるまちづくり等の機運の高まりにより、これらをより推進するために「松戸駅周辺まちづくりビジョン」の策定を進めている。

歳入確保と健全な財政運営について

(質問) 市長は、市政の安定運営には強固な財政基盤が不可欠であると明言いたしました。前市長時代に広げすぎた財政は逼迫した状況に直面しており、財政調整基金の減少や実質単年度収支が赤字といった構造的な課題を直視しなければなりません。「松戸市財政運営の基本方針」では、健全財政を「進めるために継続的な既存事業の見直し、集中している大型事業の実施時期の整理、未来を見据えた財政戦略会議の立ち上げ、未来への投資と財政改革の両立、まちづくりへの投資からまちのリノベーションへと還元し、未来への責任とした財政運営の基本方針について、事業の優先順位に対する考え方、未来への投資、受益と負担のあり方に対する考え方と財政改革、物価高騰対策、歳入確保策としての方策をどのように市長が考えているのかお伺い致します。

(答弁) 昨年8月に策定した「財政運営の基本方針」においては、財政改革等を実施しない場合、財政調整基金が令和9年度にはゼロになる可能性があることや、実質単年度収支の赤字の進行といった課題を踏まえ、令和8年度から令和10年度の3ヵ年計画で実質単年度収支の黒字を目指すことを掲げたところです。
 令和8年度の当初予算の編成については、単なる歳出削減ではなく「選択と集中」の徹底を基本に、事業の必要性や効果や優先順位を改めて精査し、未来への投資と財政改革の両立を基本姿勢として編成したことは、財政構造転換の第一歩となる極めて重要な編成だと認識している。そのうえで「物価高騰対策」については、生活支援として「松戸市暮らし応援給付金」として全市民対象に1人あたり3,000円を給付するもので、給付開始は令和8年4月中旬を予定しています。また、小学校給食費の全額無償化を引き続き実施するとともに、中学校給食費については第1子・第2子は年間最大11,000円相当額を減額し、第3子以降は全額無償化を実施していく。保育料については、国の幼児教育・保育無償化制度の対象になっていない0歳から2歳児の保育料について、第3子以降の保育料の完全無償化引き続き実施する。さらに、千葉県と連携した取り組みとして令和8年7月から10月の4ヶ月間市営水道料金を20%減免措置いたします。事業者支援については、本市で日々ご尽力いただいている農業者の皆様に対して、これまでの支援内容に加えて出荷用資材にかかる経費の補助の充実を図りました。次に未来への投資ですが、本市の成長につながる施策として「新焼却施設整備の推進」 「松戸・新松戸・北小金の駅周辺地区のまちづくり」 「常盤平地区のまちづくり」「江戸川・ふれあい松戸川の水辺空間の活用」など重点的に配分しました。まちづくりにおいて必要な投資を過度に抑制することは、将来的な人口減少や商工業力低下や税収基盤の弱体化などを招き、都市の衰退につながり、一度進行してしまうと容易に回復できないと考えることから、厳しい財政状況ではあるが決して止めないという姿勢で取り組んでいきます。財政改革においては、職員一丸となり効果的な予算配分と事業の適正化を進め、限られた財源を有効に活用できたものと考えます。具体的には、従来の「予算を削る」という考え方から「予算を生み出す」という考え方への転換として「インセンティブ予算制度」を導入したことで、スクラップ・アンド・ビルドの考え方が定着しつつあると認識しています。さらに、新規事業を実施する際には、あらかじめ実施期間や達成目標を設定し、期間終了時に効果等を検証した上で、事業継続の有無を判断する「サンセット方式」を導入しました。来年度以降は、市単独事業を中心とする既存事業においても積極的に活用して、一層精査したうえで改善しながら改革に取り組みます。また、財政改革にスピード感を持たせ進めるために「未来を見据えた財政戦略会議」を立ち上げ、類似団体との比較分析により本市の事業水準や財政状況を把握し、構造的要因が財政に与えるえいきょうを分析し、事業の整理・見直しや未来への投資に資する施策を計画的に毎年度の目標額を設定し展開し、財政の健全性と未来への投資の両立に向けて取り組みます。
 次に、受益と負担のあり方についてですが、29年前に「受益者負担適正化の指針」が策定されていますが、当時と経済情勢や利用実態が大きく変化しているにもかかわらず、使用料や手数料等の多くが見直されておらず、コスト増に対応できていない状況から、令和8年度中に「受益者負担の適正化の指針」を新たに策定し、受益者負担割合の考え方を整理し、民間や近隣他市との均衡や市民間の公平性も十分考慮しながら適正な料金設定を進めます。しかしながら料金の見直しは市民生活に直結する重要な事項ですから、その算定根拠等は丁寧かつ十分な説明を行い、ご理解をいただきながら進めていきたい。
 最後に、歳入確保策として都市計画税の税率引き上げによる税収増を検討しています。民間主体の開発への課税を見送るという趣旨で、都市計画税の制限税率である 0.3%に引き上げることを見送り、0.23%のまま据え置かれてきましたが、近年は大規模な都市計画事業の主体は行政が担うことが増え、さらには老朽化したインフラの更新も増え続け、都市計画事業における行政側の支出が増えている状況を鑑み、都市計画税の税率を他市並にする見直しを令和9年度の固定資産税の評価替えのタイミングに合わせ検討を進めていきます。また、都市計画税は都市基盤整備に活用するための目的税であり、その趣旨を明確にしていく必要であることから、今後は将来の都市基盤整備に活用するための新たな特定目的基金の創設を検討してまいります。

《庁舎整備に関する特別委員会から》

 新庁舎の建て替え場所は「現市役所敷地」という市の考え方を報告 庁舎整備に関する特別委員会が開催され、市長が新庁舎の建設場所を白紙撤回して、もう一度市民アンケートや有識者で構成したプロジェクトチームなどの客観的な意見を総合的に勘案して、市として新庁舎の建て替え場所は「現市役所敷地」とすることとしたいとの報告がありました。新たな比較検討表では、現地建て替えで事業費が現時点で総額656.8億円、期間が9年、新拠点ゾーンへの移転建て替えで事業費が総額711.6億円、期間が10年6ヶ月となっており圧倒的に現地建て替えが有利となっています。アンケート等からの市民の意見聴取では、事業費や利便性を重視する傾向が顕著でした。有識者プロジェクトチームの意見は、増大する事業費への懸念や市民が重視した利便性の視点について重く受け止めるべきであることや社会経済情勢等を踏まえた今後の新庁舎整備あり方を示唆され、将来的なまちづくりの検討の必要性、災害対応拠点としては浸水リスクに備えた電源機能の設置場所の検討などがありました。
 以上のことを踏まえて、まず事業費については、財政状況を鑑みれば可能な限り費用縮減を図る必要がある。事業期間については、庁舎整備は喫緊の課題であり、整備期間の長期化は事業費や仮庁舎賃料の増大につながることから、物価上昇懸念を踏まえ早期の整備着手が必要であること。また、市民の利便性を配慮すれば、24時間365日通行可能なアクセス道路が確保されていること。災害対応の面では、水害等により万一災害対策本部としての機能を果たせなくなることが予想された場合でも、地域防災計画に定められた代替施設への移設により対応可能な体制を備えることで、双方の敷地においても復旧・復興対応が可能と考えられること。市として松戸駅周辺の回遊性向上や市街地活性化の観点など「まちづくりの視点」は大変重要であるが、現在の本市の財政状況や他の大型事業の推進を鑑み、事業費および事業期間のほか、市民の利便性を最優先とすべきとの結論に至った。
 なお、新拠点ゾーン整備については、松戸駅周辺地域と調和・連携することで、新たな人のつながりや活動が松戸駅周辺、さらには松戸市全体に波及することが期待される大変重要な事業であることには変わりない。今後は、直ちに「新拠点ゾーン整備基本計画」の見直しに着手し、市の財政状況を勘案しながら、新拠点ゾーンにかかる全体方針や求められる機能等を再整理し、土地利用を検討していく。

《予算審査特別委員会の審査から》

 令和8年度一般会計予算ほか12件の予算について、各会派から選任された予算委員10人で構成する予算審査特別委員会で審査が行われました。4日間の予算審査を経て12件の予算は可決承認されました。12件の予算の合計は3、896億7,488万8千円(昨年比115億3,793万円増)伸長率3.1%でした。そのうち一般会計予算は、1,945億1,000万円(昨年比4億7,000万円減) 伸長率▲0.2%となりましたが、これは厳しい財政状況を踏まえ財政改革として「インセンティブ予算制度」 「サンセット方式」を導入し予算編成を徹底的に見直した結果です。その歳入では、市税収入が792億3,600万円(昨年比30億5,300万円増)伸長率4.0%となり堅調な伸びを見せています。歳出では、民生費の構成比が全体の52,1%を占め、相変わらず少子高齢化が進むとともに障がいを持つ方への支援や扶助費の増加が顕著である。教育費の伸長率▲24.8%は、小中高校の体育館空調設備設置工事が完了したため今年度の計上が無くなったためです。その他の主な予算では、松戸競輪特別会計予算の伸長率33.2%増、これはG1 グレードレース開催による売上増加を見込み、その結果一般会計繰出金として8億円を繰出し、市はその繰出金を保育士補助金(松戸手当) や松戸花火大会負担金ほかに活用している。駐車場事業特別会計予算は伸長率18.4%増、新松戸駅東側地区土地区画整理事業特別会計予算は伸長率▲42.7%、相模台地区土地区画整理事業特別会計予算は伸長率▲19.6%、病院事業会計予算は伸長率▲9.0%となっており、厳しい財政状況が反映されている。

次回の6月定例議会は、6/10(水)から6/26(金)です。 議会事務局にお問い合わせの上、傍聴にお越し下さい。